安い医学部受験予備校
- 2024.02.06
- 塾・予備校情報
一般に学費が非常に高いことで知られる医学部専門予備校(通称「医専=いせん」)だが、学費を安く抑えてかなりの実績を出している塾も散見される。医専の予備校の学費が高い理由はいくつかあるが、主要な理由は人件費。プロの講師がマンツーマンで個別指導をすればどうしても学費はかさむことになる。ただ、医学部に合格するためにマンツーマン指導が本当に必要か?というとかなり疑問がある。マンツーマンの指導は生徒に合わせて行われるため、ともすれば生徒の側に甘えが生じ「医学部合格に必要なレベル」まで学力を高められない場合も多いからである。高額な学費を取るが何年勉強しても受からない浪人生の溜まり場になっていることもあるので注意が必要である。
【1】エースアカデミー
⭐️コメント 最近、学費の安さと合格実績で人気急上昇の塾。学費が安いのは大きなフロアにたくさんの生徒を詰め込み、自習形式、質問対応にしているため。武田塾みたいに基本的には授業を行わず市販の参考書で「自学自習」をやらせる。このような指導方法でも地頭の良い生徒は合格してしまうので実績を出せている。現役医学部生が質問対応しているが受験指導のプロではないため、体系的な解説や分かりやすい解説を望むのは難しいだろう。
【2】成増塾 〜1,915,750円
⭐️コメント ここはしっかりした少人数指導をしながらも医専最安値の予備校のひとつ。小規模ながら国公立医学部や私立難関大医学部(慶応、慈恵、日医、順天、国際医療)にかなりの実績を出している。成増塾の高卒部は定評のある講師だけが担当している。高いレベルのプロ講師が教えているのに学費を医専の中で最安値に抑えているのは授業時間を少なくして問題演習をたくさんやらせているから。「基礎が出来たらあとは沢山問題を解いた人が勝つ」という指導方針にはかなりの説得力が感じられる。社会人も受け入れている。チューターではなく授業を担当する講師が自らスケジュールの立て方や学習相談も行っている点もポイントは高い。ひとクラス8名前後の少人数なので講師は生徒の理解度を確かめながら授業が行われるし質問時間もたっぷりとってくれる。授業を担当する講師との面談や体験授業を受けられる。
【3】河合塾 私立大医進アドバンス1,985,000円
⭐️コメント 河合塾の麹町校舎には医学部受験生が集まる。大手予備校なので知名度も高く大勢の生徒が集まるが、ひとクラス50人から100人の集団授業がいまだに行われている。大人数が集まる集団授業の問題点は生徒のレベルに合わせた授業をすることが非常に難しい、もしくは不可能ということである。大人数の授業のため、講師はどうしても「1番のボリュームゾーン」に合わせて授業をすることになる。学力が低い生徒がついていけなくなる、あるいは、学力が高い生徒が無駄だと感じて授業に出なくなる、というのは当たり前である。また、授業をする講師に質問できない、あるいは、質問するのが困難というのも大きな問題点。50-100人の生徒がいるのだから質問ひとつするにも長い行列に並ばなければならず、また、他にも質問したい人は沢山いるのだから1回に質問できる時間は大変限られてしまう。チューターに聞くこともできるがやはり学生のバイトがやっているので的確に答えられなかったり科目の体系まで踏まえた解説を期待するのは難しいだろう。
【4】メディカルラボ 5,050,000円
⭐️コメント 大変有名な医学部専門予備校。全国紙に大きな広告を載せ、日本全国から医学部受験生を集めている。少人数の授業が行われており、講師レベルは一般的には高い。集団授業について行けない生徒には個別指導も用意されているが、個別指導を沢山とると大変高額な料金となる。親が開業医ならこの程度の料金は問題にならないであろうが、勤務医だとキツいかも知れない。最大の問題は「集団授業についていけないから個別指導を受ける」という生徒はどうしても甘えが出て来るということ。本来医学部受験とは「生徒が合格するために何をしなければならないか?」という風に「合格」というゴールから逆算して考えなければならないものなのに、この手の医専は「生徒が出来るペース」で勉強させている。結局、目標に到達するには長い時間がかかるか到達できないことも多い。そのため、3浪、4浪という受験生も多数在籍することになる。メディカルラボだけでなくこの手の医専は多浪が多くてだらけた雰囲気であることは否めない。
【5】富士学院
⭐️学費が安い訳ではないが、とにかく受験生に対する気配りが凄い!肩が凝った生徒にはマッサージのサービスもあるらしい。また、指導方針で共感できるのは受験生の科目間の学力のバランスを取る指導をしていること。通常、予備校講師は自分が教えている科目の成績さえ上がれば良いと考えがちだが富士学院では科目間のバランスを優先するという。2024年3月3日の朝日新聞では富士学院の理事長はプロ野球の監督である栗山英樹氏との対談の中で次のように語っている。「当学院では講師やスタッフもチームを組んで1人の生徒を見ています。英語が苦手な生徒がいれば、場合によっては他科目の講師も協力して、例えば数学の授業や課題を減らして、英語に専念させたりしています。実は予備校でこのようなことをやっているところは珍しいんです。予備校の先生は、普通は自分が教えている科目の成績を伸ばすことだけを考えます。その意識を変えてもらうにはとても苦労しました。その意識を変えてもらうにはとても苦労しました。生徒の合格を目指す上で、自分のプライドではなく、生徒のために最善を尽くすべきだとの思いを粘り強く伝え、理解して頂きました」以上のように富士学院では生徒の学力特性に合わせた指導を行っている。
【6】みすず学苑
⭐️「怒濤の英語力」をキャッチフレーズに大変目立つ奇妙な?広告を出すことで有名な予備校。合格実績を公表していないことからすると実際にはあまり合格していないのだろう。だが英語の指導にはかなり力を入れているようだ。合格者の顔写真とともに合格体験記が紹介されているが塾内部の人間が代筆している可能性が高い。とにかく合格体験記の文体がみんな一緒である。少人数と謳ってはいるがひとクラスの人数は25名くらいで駿台や河合のような「大箱」予備校ではないが、一人ひとりまで指導が行き届く人数かというとかなり微妙かもしれない。
★参考★有名な医学部専門予備校★
代官山メディカル 240万~590万
メルリックス 220万~460万
レスサス教育センター 183万~323万
プロメディカス 383万
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