PREP 斉藤塾について。
- 2024.01.08
- 塾・予備校情報
【概要】
上智大学を出た斉藤淳氏が代表をする英語塾。新聞への折込チラシをしばしば目にします。「話す」「書く」「読む」「聴く」「考える」の5技能が効率的に身につくカリキュラムを提供することをコンセプトとしています。
【特徴】
新聞の折込チラシにはネイティブ講師の写真を大きく載せ「ウチに来れば英語ペラペラなります!」というイメージを全面に押し出しています。
【評判は?】
「月謝が高い」との声が多いようです。ネイティブ講師を雇うにはかなりの人件費がかかるのでこの点は仕方ないとも考えられます。
【斉藤塾で日本の難関大学入試に対応できるのか?】
将来東大や難関医学部を目指す生徒やその保護者にとっての最大の関心事は「斉藤塾に通えば東大や難関医学部に合格できる英語力を身につける事ができるか?」ということでしょう。
斉藤塾は「世界レベルのハーバードに合格できる英語力を身につければ東大は楽勝!」というキャッチフレーズを使っています。
しかし、これは明らかに、事実誤認に基づく間違った認識です。
「アメリカの大学に合格する学力」と「日本の難関大学に合格する学力」は明らかに別物だからです。
東大を始めとする日本の難関大学は「英文を日本語に訳せ」「日本語で具体的に説明せよ」という問題形式が昔も今も主流であり「英語を何となく話せたり読めたりするけれどそれを日本語で上手く説明できない」生徒では合格点をとることができないからです。
「英語が読めるだけじゃダメで、英文から読み取ったことを日本語で適切に表現出来る力がなければ高得点できない」という事実は日本のほぼすべての難関大学の入試に当てはまります。(例外的に早稲田の国際教養学部などのように日本語の運用能力をあまり求めていない大学なら斉藤塾は良いかもしれませんが)
東大を始めとする難関大学の入試問題をご覧下さい。それらの大学が求めているのは「英語をペラペラ喋ること」ではなく「読み取った英文の内容を日本語で的確に表現すること」であることはすぐにご理解頂けます。
現に斉藤塾ではサイトで合格実績を公表していません。
渋谷校 | 世界に通じる英語塾【 J PREP 斉藤塾 】
もし斉藤塾のいうように「東大に楽勝で合格できる」というならサイトで合格者の実数を公表しているはずです。
以上述べてきたことに付け加え、私の経験から得た知見も紹介しましょう。
私が大学院に在籍していた時、英書研究の授業にカリフォルニア大学を卒業した帰国子女も出席していました。
私は「アメリカの大学を卒業した帰国子女ならさぞかし英語力は高いのだろうな」と思っていました。
しかし、実際授業を通して分かったのは、カリフォルニア大学を卒業した彼よりも、日本で難関大学に入るために受験勉強をした学生の方が「難しい英文を正確に読める」という点に関しては高い能力があるということでした。
これにはかなり驚きました。
英書研究のテキストはアメリカの最高裁の判例でしたが、日本の受験勉強組が難なく正確に読める英文も帰国子女である彼は不正確にしか読めていないのです。
もちろん、帰国子女の彼は日常会話レベルなら英語によるコミュニケーションは完璧でしょう。
しかし、日本の難関大学の入試で合格点を取るには「難しい英文を正確に読み取り、かつ、それを適切な日本語で表現する学力」が必須なのです。
斉藤塾に限らず「アメリカの大学に合格できる」能力を身につけることを目標に掲げる塾は昨今増えています。
しかし、日本の難関大学に合格する力は「英語をペラペラしゃべる能力」とは別物であることをもう一度確認し、肝に銘ずる必要があります。
-
前の記事
英語塾のタイプ。「文法」か「多読」か?か? 2023.11.08
-
次の記事
成増塾について。 2024.01.10